今週の日経平均株価は前週末比141円75銭高の21258円64銭と3週連続上昇しました。
週足は陽線コマのような形状。
週初は冴えませんでしたが、日本時間19日夜に出た米中首脳会談決定で流れが変わりました。
注目されたFOMCは市場予想通り現状維持でしたが市場は
市声明文の政策金利の判断において「辛抱強くなる」との文言が削除されたことや
セントルイス連銀のブラード総裁が0.25ポイントの利下げを主張したことなどを好感。
ただ、きょうの東京市場は一転円高を嫌気するような動きになっており、
短絡的に米国株に連れ高するとは考えない方が良いかも知れませんね。
先週まで1ドル＝108円付近でもみ合いが続いていたドル円ですが、
今週のFOMC通過後、明確に1ドル＝108円を割り107円台に突入。円高トレンドが鮮明です。
日銀はもう手詰まり感が強く、今週の日銀会合でも現状維持の一点張り。
6月利下げ無しでこの動きですから、米国の緩和期待が薄れるまでは円高基調が続きそうです。
また、今週は米国の無人偵察機撃墜という焦臭い事件がありましたが有事の円買いリスクも。
日経VIは先週末の17.28から低下。米VIX指数も低下しています。
これは株安に忖度したFRBと米中首脳会談決定によるリスクシナリオ後退を示唆しています。
ただ、既述の通り米国とイランの緊張状態が刺激されるような有事リスク、
そして米中首脳会談物別れのリスクもありますから、
このままゴルディロックス相場に回帰していくかどうかは分かりません
先週の投資主体別売買動向では海外投資家が現物1992億円売り越し、
先物84億円買い越しで合算1908億円の売り越しでした。
個人投資家も現物757億円売り越し、先物301億円の売り越しで合算1058億円の売り越し。
先々週と全く同じで、日経平均株価は上昇したのに海外投資家も個人投資家も売り越し。
買っているのは事業法人(自社株買い)と、日銀ETF買いが勘定されるとされる自己。
今週は米朝首脳会談決定というサプライズもありましたし、海外投資家は買い越しているかも知れません。
ただ、額は知れているでしょう。円安にならないと巨額の買いを入れてくるとは考え難いです。
「下値は日銀がETFを買ってくる、カネ余りの状況で企業も自社株を買ってくる、だから株価は下がらない♪」
・・・真っ当に考えるとそうなりますが、それが延々続くとどうなるのか？
私はいつかそれがリスクになる可能性が高いと見ています。
来週はG２０
今週は米朝首脳会談決定で切り返しましたが、円高が上値の重石となりました。
来週はいよいよ米中首脳会談。
長期的には米中の通商摩擦は当分続くというのが一般的な見方ですが、
もし一時休戦、和解となった場合は大きく上昇するかも知れません。
裁定買い残の水準、既述の日銀のETF買い、自社株買いなどの需給要素を考慮すると、
余程の事がなければここからの急落は考え難いです。
ただ、本来下げるべき局面で人為的に買い支えたツケが、
今後は日柄調整と言う副作用を生むかも知れません。
まぁ、結果はどうなるか分かりませんのでそれを見て戦略を立てて行きたいと思います。
暁投資顧問 平下
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