今週で11月も終わり、日経平均株価は前週末比704円51銭の上昇となりました。
先週末に2025年大阪万博が決定したことや、米中交渉に対し前向きな要人発言があったこと、
そしてパウエルFRB議長が講演でハト派的なコメントを発したこと等が好感され反発に転じました。
月末ということもあって配当分の再投資、GPIFの買い等も意識された模様。週足は陽線が示現。
ドル円は既述のパウエルFRB議長講演後にドル安に振れる場面もありましたが、
前週末比では円安に振れています。ドルが強いですね。
19年でのFRB利上げ打ち止め観測も出ましたが、12月FOMCでの利上げは確実視されています。
12月FOMCと米長期金利動向を左右する来週の米雇用統計発表後に流れが変わるかも知れません。
日経VIは若干下落しましたが、節目の20は維持しました。
イベント前で模様眺めといったところでしょうか。
G20通過後に動きが出てくるかどうかに注目。
前週分の投資主体別売買動向は海外投資家が現物1968億円売り越し、先物3143億円の売り越し、
合算で5111億円の売り越しとなっています。
個人投資家は現物売り越し、先物買い越しで合算352億円の売り越し。
特に偏った動きは見られませんでしたが、海外投資家がなかなか買ってきませんね。
上記の表は現物と先物を合算した金額(億円)ですが、
1月1週から11月3週までの海外投資家の売買代金を見るとトータルで10兆2292億円の売り越し。
4月、7月、9月に若干買い越しに転じた期間がありましたが、大半が売り越し。
それを吸収しているのが日銀ETF買いが反映される自己、年金の信託、自社株買いの法人です。
海外勢がこれだけ売ってきているのに日経平均株価が22000円台というのは非常に強いと思います。
官製相場の歪みも指摘される日本株ですが、海外勢が大幅買い越しに転じてくるかどうかが上昇の鍵でしょう。
日経平均株価 月足
きょうで11月も終わり。来週からは12月相場。11月の月足は陽線となりました。
10月は急落し大きな陰線となりました。
1度大きな陰線が示現すると2015年8月チャイナショック、2016年1月原油安ショック、
2018年2月VIXショック後の動きを見ても分かるように、翌月も陰線になる傾向がありました。
しかし、今月はしっかり踏み留まっており「11月は強い」というアノマリーを示した格好。
米国の年末商戦は好調なようですが、きょう午前中に発表された中国PMIも悪化していましたし、
実態経済には明らかに鈍化の兆候が見られます。
一方、需給を見ると既述の通り海外投資家は今年に入って売り越しを続けているものの、
日経平均株価はそこまで下がっていません。
前週末時点での裁定買い残は1兆609億円、裁定売り残が5945億円。
今年の安値をつけた3月23日時点での裁定買い残が1兆3321億円でしたが、その水準を下回っています。
(低水準とは言えますが2016年9月には裁定買い残が3385億円まで減少していますので、売り圧力がないとは言えませんが)
海外投資家が大量に買い越してきているような状況でもありませんし、需給は悪くありません。
何かポジティブサプライズがあれば、先物主導で短期的に上昇するかも知れません。
ひとまず、G20通過後の市場動向を見て戦略を固めていきたいと思います。
暁投資顧問 平下
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