ソフトバンク Flipkart WeWork
ソフトバンクG<9984>の上昇が続いています。
きょうは約4.8%の上昇で昨年高値を更新してきました。
買い材料となったのが8月6日引け後に出た決算。
19年3月期第1四半期(4~6月)の連結決算は
売上高が2兆2727億8300万円(前年同期比4.0%増)
営業利益は7149億9300万円(同49.2%増)
最終利益は3136億8700万円(同56.8倍)
前年同期が冴えなかったこともあって、前年同期比では大幅な増収増益となっていました。
利益の内訳を見るとソフトバンク・ビジョン・ファンド(以下SVF)の株式評価益のウェイトが大きかったです。
もうこれは通信会社というよりもファンドですね。
以前、アリババ株の上昇を材料視してソフトバンクGの株価が上昇したことがありましたが、
今回SVF保有株でソフトバンクの業績に大きく寄与したのがFlipkartとWeWorkの評価益でした。
FlipkartもWeWorkもともに非上場企業ですが、Flipkartはインドの電子商取引企業。
電子商取引企業といっても、自社の家電製品も販売しているそうでいわばインド版のAmazon。
このFlipkartは先日米ウォルマートが160億ドルで買収を発表しました。
SVFが2017年にFlipkartに出資した25億ドルはわずか8カ月で40億ドルになりました。
もう一方のWeWorkですが、コワーキングスペースを提供する米国企業です。
コワーキングとはなんぞや?ということですが、Wikipediaによると
「事務所スペース、会議室、打ち合わせスペースなどを共有しながら独立した仕事を行う共働ワークスタイル」
で、そのスペースを提供しているのがWeWorkです。
レンタルオフィスとの違いは間仕切りされておらず、図書館のようにオープンな仕様というのが特徴です。
私は知ったとき「そんなもん流行るのかいな?」という見方でしたが、ニーズは多いようで認識を改めました。
今年WeWorkが日本にも上陸しました。
WeWorkの運営するコワーキングスペースをHPで見ましたが、
映画「マイ・インターン」でヤリ手女性社長のアン・ハサウェイが運営する通販サイト会社のような雰囲気でした。
オープン、明るい、オシャレ、活気がある・・・そんなイメージです。
オープンな仕様といってもプライベートオフィス契約すれば壁に囲まれた施錠可能なスペースが与えられるそうで、
その辺りは柔軟性があるようですね。
ただ、料金が明確に記載されておらず、どれくらいの料金が掛かるのか明示されていないところが気になりました。
このWeWorkは昨夏で企業価値2兆円を上回っており、アジアや世界に定着すれば更に企業価値は高まると見られます。
車もカーシェアが広まってきましたが、事務スペースもシェアする時代が来るのかも知れません。
オフィス賃料も車の維持費同様、馬鹿になりませんから。
WeWorkの料金が分かりませんのでコストに関してはなんとも言えませんが、
所有する時代からシェアする時代にむかっていることは間違いなさそうです。
・・・先日ソフトバンクGの株高要因になったタイガーグローバルもFlipkartに出資しており、
穿った見方もしてしまいますが、SVFの目利き力は認めざるを得ません。
今後、どういう社会が来るのか、どういうビジネスがトレンディになるのか、
そういった観点からもSVFの投資先はチェックしていきたいと思います。
なお、ソフトバンクの株価ですが昨年4月~10月にかけての半年間の上昇分を僅か1ヶ月で超えています。
タイガーグローバルの報道に関しては業績とは無関係ですし、さすがに過熱感は否めません。
保有株が値上がりしているうちは良いですが世界株安となった場合、
真っ先に売り対象となるであろう銘柄ということは意識しておいたほうが良さそうです。
暁投資顧問 平下
最新情報をお届けします